メンズファッションは難しい。
なぜなら100年間、大きく変わっていないからです。
そしてレディースに比べてデザインに幅もありません。

僕は今、改めて自分がどういうものを着たいか考えました。
東京のお洒落なブランドさんたちの服をずっと着ていましたが、
どうしても「ちょっとだけ若く」見えてしまい、
「ちゃんとしたレストラン」や仕事で着るには「ラフ」すぎるなと思っていました。
とは言え、毎シーズン歴史あるブランドの定番を買い集めていてもお財布が厳しいし、
それはそれでおじさんっぽすぎると。

だから僕は、自分が作るなら現代的な「クラシック」さで
普通に街で着ていても違和感のない、男版「ギュンかわ」を作りたい。
僕が好きな歴史あるブランドの定番に合わせても違和感がなく、
程よく年齢に馴染むスタイルを目指す。

ある紳士の哲学について書いた本にこんな一節があります。
「男性の衣服は、女性の華やかさを邪魔してはならない」と。
シンプルで気取らない、でも上品なスタイリングをしたい。

さらにメンズはとにかく「本質的なプロダクトの良さ」が必要だと思っています。
そのため、たくさんいろんな種類を作っていくというよりは、
一つ一つを丁寧に作り込んでいきたいです。

そのプロダクトの1つが「スラックス」です。
foufouを少し見たことがあるメンズなら、
淑女の皆さまが「foufouのパンツがやばい」と口にしているのを見かけたことがあると思います。

特に、アジャストストレートパンツという名前の
サイドのアジャスターが特徴的なスラックスは一番人気です。
今回はそれをメンズ風にアレンジ。
タックはワンタックにしました。それにより、メンズらしい重厚感が出ます。
アジャスト部分の位置も絶妙です。かっけええ〜。

素材やシルエットの良さはそのままに
アジャスト部分をメンズ仕様に変更しました。
もちろん裾はダブルで仕立てています。
メンズのスラックスは絶対ダブル派です。

僕はゆっくり「いいおじさん」になる準備をしたい派で、
例えばこんなスラックスを持っておくことで
おじファッションへの道を楽しく歩んでいけるのではないかなと思います。